モデリングの流れ

 モデリングといえば、データモデリングやプロセスモデリングなどいろいろあるが、だいたいにおいてこれまではシステム開発をするという観点でどこに着目しながら設計していくかという歴史だった。OOA(オブジェクト指向アプローチ)あたりから、DOAやSOAという言葉が出てきたように思う。SOAはサービス指向アーキテクチャであり、実はアプローチすなわち開発方法論ではない。DOAはデータ指向アプローチのようであるが、実はグローバルは話ではなく、日本の一部で使われているだけである。
 原点に立ち返ると、現実世界のできごとをシステムの中にマッピングする時に何に注目するかと考えたほうがわかりやすい。プロセスに注目するのは、組織で誰がどういう手順で仕事をしていくかという人間系の比率が多くてかつ、定型的な業務には向いている。データに注目するのは、業務は定型的であるが、かなりシステム化されている業務に向いている。オブジェクト指向は部分部分は定型的であるが、その順番や組み合わせが多い業務に向いている。
 それぞれの開発方法論を適材適所でうまく使っていく必要がある。オブジェクト指向は家電やコピー機のような組み込みソフトウェアには向いている。自動化がかなり行えるビジネスにはデータ指向が向いている。プロセス指向は、人間の判断や業務が多い定型的な業務に向いている。
 実は、内部統制で求められる中で、これからの対応が必要な業務は人間系でやっている定型的な業務である。ということからプロセス指向、すなわちプロセスモデリングがもっとも適した手法ということになるわけである。古いとか新しいという話ではなく、もっとも適したものを選ぶということである。

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